腸内フローラとは

私たちの大腸には、細菌が約1000種・40兆個も存在しており、特に便が形成される大腸の奥にその数が多いことが知られています。大腸にすみついている腸内細菌の量は約0.4ℓで、約37兆個あるヒトを構成する細胞数とほぼ同じ数の細菌が大腸内に共生していることになります。 この腸内細菌を顕微鏡で見ると、菌種ごとに群を作って腸壁に棲みついている状態がお花畑(フローラ)のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。 健康な大腸では、腸内フローラが菌の種類や構成比率のバランスをとりながら腸内環境を整えています。

世界が期待!短鎖脂肪酸の全身への健康効果

大腸内で産生される短鎖脂肪酸についてご存知でしょうか。
近年、短鎖脂肪酸に関する研究が急速に進み、さまざまな健康効果をもたらすことが明らかになってきました。その効果は多岐にわたり、世界中で非常に注目されています。短鎖脂肪酸は腸管から吸収されて全身に運ばれると、肝臓や筋肉、腎臓などが正常に働くためのエネルギーとして利用されます※A-1。また食欲を抑制する消化管ホルモン(GLP-1やPYY)を分泌させることにより、体重のコントロールにも寄与します。さらには、交感神経細胞などの神経や脳に作用したり、免疫に関係する細胞や抗体をつくったりするのにも短鎖脂肪酸が関わっていると考えられています※A-1,A-2。もちろん腸内環境を整える作用もあり、腸内を適度な酸性に保って悪玉菌の増殖を抑制する※A-3、粘液を分泌させて腸管のバリア機能を高めるなどの効果が報告されています。